2008年5月25日日曜日

K project

5/24(土)午後
芸大の友人に誘われ、藤村龍至設計のK-projectの内見会に参加してきた。
参加した学生がそれぞれのblog etcで、projectの感想を即日レポートさせようというものだった。

とても盛り沢山!そんな印象だった。
それは皿の上に料理を盛り合わせたような盛り沢山な外観からだけでなく、意匠、構造、設備等すべてに対して等価に考えていき。同じ位の強さを持ってconceptとして成立させる思考からも感じられた。
意匠は『ファサードに対する配慮や共用部の路地性』
構造は「メガストラクチャーによる吊り構造による1Fの開放性』
設備は「コアを地面まで垂直に通し、凝縮するコト』
それぞれに対して課題を課し全てに答えようとした建築だった。
設備の在り方に関して疑問を持ちconceptに取り入れる考え方は、あまり見ないので新鮮だった。

この建築がコレから世に出て行くときに、どこを売りにするのかが気になった。
集合住宅としてなのか、建築としてなのか??
集合住宅としてなら、住み手を意識して共有空間、居室空間の在り方を押すだろう。特に最上階の住居の関係性は高円寺の持つ路地性が生かされていて面白かった。
建築としてなら、3つの要素の融合を!ということになるのかな。しかし、それを言うには3つの要素に対するconceptそれぞれの主張が強すぎた様に感じた。つまり、どれもその考えで1つの建築が成立しそうということだ。
そうなると、どこを話の落としどころとするかが大事になると思う。
たとえば、構造的に各階スラブを天井から吊ることで1Fの開放性は上がるが、各階のスラブを一枚板にして吊った方がいいという構造的な効率性を考えると、外観や屋上から感じる上下の関係性は作れなくなる。
逆に外観から受ける、ランダムさを出すには下から積んだ方がいいが、各階の構造体は増え設備の凝縮によってできたフレキシビリティはなくなる。などと、矛盾が起きてくる。
設備から考えたというところを押すなら、設備から考えた結果出てきたのがこの意匠。この構造。というのではなく、設備から考えたことをより良く魅せる意匠、構造であると、意匠、構造をある程度サブ的にみせられるといい。
話をする上では、各要素のもつconceptにヒエラルキーを持たせ、「そこはコレを提案するには大事じゃないから、それでいい」と言っちゃえる柔軟さを与えると話しやすいのかな?と思った。

しかし、建築という概念に含まれる全ての要素に対して向き合って答えていこうというのは、かなり大変だと書きながら考えてしまった。


今まで芸大の中にばっかりいたからか、思った事を文章にまですることは少なく自分の頭の中や言葉や絵で留める事が多かった。院に進学した事や今回の事を機に形に残り伝わるものとして不特定多数の人にout putしていきたいな。

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